失踪(修正版)|寝●られ体験談|ネットで見つけた!素人の超エロい本当にあった体験談!

失踪(修正版)

投稿日時:2005/12/02 19:48カテゴリ:寝●られ体験談

416 :えっちな21禁さん :04/04/21 20:42 ID:1my7cryD 
俺と彼女は小学校の頃からの幼馴染だった。 
いや、それ以上の、何て言うか、兄妹みたいな感じだった。お互いの家族も生まれた時から顔見知り。 
高校を出る頃には既成事実ではないけど、『貴志君と恵理が結婚するのが楽しみだわ…』なんて、 
彼女の母親がのたまうほど、親密な関係だった。…って言っても、Hは無し。キスはしてたけど。 
初めてHしたのは大学二年の冬。一緒にスキーへ言った時。二人だけで行きたかったのに、 
両家族まで付いて来て。ちょっとした家族旅行だった。俺も彼女も一人っ子で、親馬鹿なんだろうか…。 
三部屋予約取って、俺は恵理と一緒の部屋だから、と宣言すると、俺と彼女の母親に冷やかされた。 
今となっては、何と言うか…いい思い出。で、彼らの期待に応えて?初めて結ばれた。正確には、 
三泊四日の旅行の、三泊目の夜なんだけど。一日目、二日目は全然入らなくて、彼女もすごく 
痛がってて…血は出なかったけど、初めてだった。俺はそう信じてる。それに、その頃の彼女は、 
俺に嘘をつける程、器用な女じゃなかったから。 
417 :えっちな21禁さん :04/04/21 20:53 ID:1my7cryD 
俺と彼女は別々の大学で、俺は三流大学の経済学部、彼女は中堅所で仏文学を専攻していた。 
ちなみに、俺よりも彼女の方が頭が良かった…。当然、就職でも差が付いた。 
俺は小さな機械製作所の営業兼事務として、彼女はネットベンチャーと呼ばれる企業へ。 
就活で腐り切ってた俺に、彼女は優しく言ってくれた。『しばらく働いたら、何か資格でも取ればいい』って。 
さえないサラリーマンになった俺と、美人で、頭もいい彼女…釣り合わないなァ、なんて、自分でも思ってた。 
彼女と幼馴染で、一緒にいる時間が彼女の親の次に長かった存在だから、こんな俺と付き合ってくれて、 
好きになってくれたんだ。そう信じてた。俺は絶対、彼女を幸せにする、誰よりも…本気でそう、心に誓ってた。 
大切な彼女だから、Hも恐る恐る、い、いいかなー?なんて、お伺い立てて、前戯も本当に延々と…みたいな。 
とにかく、俺は大切にしてた、彼女の事を。 
418 :えっちな21禁さん :04/04/21 21:04 ID:1my7cryD 
お互い社会人になって、五年が過ぎた。俺も彼女も24歳になってた。 
ある日、俺は彼女の父親から居酒屋に誘われた。初めて俺の携帯に着信が入って、 
誰だろう、見慣れない番号だな…なんて、出てみると、彼女の父親。知った顔だけど、 
その時は何故か目茶目茶緊張した。二人だけで飲む酒。味なんて覚えてない。 
何を食べたのかも覚えていない。静かな時間が流れたもそんな気がする。 
419 :えっちな21禁さん :04/04/21 21:05 ID:1my7cryD 
他愛も無い会話の後、彼女の父親は一言、『そろそろ嫁に貰ってくれないか』と言い、 
そして軽く頭を下げた。俺は泣いた。恥ずかしいけど、鼻をすすり上げていたと思う。 
涙が止まらなくて、何度も何度も、絶対幸せにします!なんて言ってた。その日、 
俺は家に帰ると両親にこの事を報告して、これからも彼女を宜しく、と頭を下げた。 
確か親父は『任せろ』、お袋は感動して目が潤んだまま、何もいえなかったと思う。 
その後、今度は彼女の家に行って、改めて挨拶した。先程はどうも、見たいな感じで。 
彼女はまだ帰って来てなくて、俺はさっきまで一緒に飲んでた彼女の父親と、母親に、 
『恵理と一緒にさせて下さい』みたいな事を言った。婚約宣言…何か恥ずかしい、今思い出すと。 

421 :えっちな21禁さん :04/04/21 21:21 ID:1my7cryD 
後ろから親父とお袋もついて来て…いや、まさか後ろから付いてくるとは 
思ってなかったんだけど、家が近過ぎて。いても立ってもいられなかったんだと思う。 
三人で彼女の実家に上がり込んで、五人でビールを飲みながら昔話を…いや、ただの羞恥プレイでした。 
俺が覚えてない事を次から次へと、コイツら…俺と彼女の秘密の暴露大会を始めやがる。 
『実は貴志君と恵理が○○でキスしてるの知ってたの』とか、お袋と彼女の母親が喋る喋る。 
俺は、彼女の父親に聞かれたくない話ばかりで、もう何処かへ逃げ出したくて。来るんじゃなかった、と 
少し後悔したり。 
422 :えっちな21禁さん :04/04/21 21:22 ID:1my7cryD 
夜中の12時過ぎに、彼女も帰って来て、『あれーどうしたの?みんなで』と聞かれたと思う。 
席を外して、玄関の所まで連れて来て、小声で今までの経緯を話したら、すごく喜んで…でも、一番最初に 
私にちゃんと言って欲しかった、と言われて、そりゃそうだよなァ…と少し後悔したり。 
今更、面と向かって言うのも馬鹿と言うか、恥ずかしかったけど、『結婚しよう』と彼女に言ったよ。 
声は上ずってたと思う、間抜けだ俺…。彼女は『幼稚園の頃から貴志のお嫁さんだったよ…』って。 
俺は思い切り抱き締めてた、彼女の事。…それも全部見られてたけど、皆さんに。後々まで話の種にされるのが辛い。 
423 :えっちな21禁さん :04/04/21 21:37 ID:1my7cryD 
俺はその頃が一番幸せでした。本当に幸せだったよ。 
月給26万程度、ボーナスカットも当たり前だったけど、彼女と一緒にいられるだけで 
幸せだった。何て言うか、彼女の事を考えるだけで楽しくなれて、俺は思春期?みたいな。 
マリッジブルーの逆バージョン、まさにハイな感覚。どっちの家に住むかとか、新しく借りるか、とか、 
色々考えてた。その頃、彼女はいつも仕事が長引いて遅かったけど、全然気にしてなかった。 
マメにメールはくれるし。全然怪しい事もなかったんで。 

425 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:09 ID:1my7cryD 
俺が彼女を意識し始めたのは小学校一年から。意識って言っても、あーいるいる、みたいな。 
存在の認識って言うのかな。でも、彼女は幼稚園の頃から俺に目を付けていたんだと。 
俺と恵理って幼稚園の頃、一緒の組じゃなかったよな?何で俺の事知ってんの?って聞いたら、 
俺は全然覚えてないけど、色々俺との思い出とやらがあるらしい。俺は全く覚えてないから、 
でも、覚えてない、なんて言うとマジ切れされそうな雰囲気だったんで、ああ、そうだよなーなんて、 
覚えてるフリしてやり過ごしたけど。そんなに一途に想われてたなんて…とまあ、少しノロケてみました。 

427 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:17 ID:1my7cryD 
婚約してから、安心したのか、少し会う機会の間隔が長くなってて。 
いや、彼女の仕事が忙しくて。お互い仕事もあるし、無理に時間作って会わなくても、 
この先嫌って言う程一緒にいなくちゃいけないんだから…みたいな。俺は安心しきってた。 
ちゃんと指輪を渡さないと…なんて考えてて、こっそり宝飾品店巡りしたりしてて。 
店員さんと話すと緊張しますね、アレ。もう、話し掛けたら絶対買わないといけないんじゃないか、って。 
俺は元々気が弱いんです、ええ。しかも優柔不断だし。結局買えなくてマゴマゴしてたんだけどさ。 
429 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:34 ID:1my7cryD 
10月の彼女の誕生日が迫ってた。俺はまだ指輪すら買えなくて。 
もう、いっそ彼女自身に選ばせるか、って腹をくくってた。俺のセンスだとダメっぽいし。 
一生大切にしてほしいから、彼女の選んだ物で…って。その時、実は、婚約指輪兼結婚指輪って 
考えてました。セコイ男でスマソ。でも別々に二個買うのもなーなんて思ってて。 
で、彼女の誕生日。この日は早く仕事切り上げてくれよな、って言ってあって。ドトールで待ち合わせ。 
俺はいつも待たされる。遅っせーとか、言いながら。彼女はゴメーン、なんて可愛く謝って。…馬鹿ップルでした。 
彼女がポーチをパカッと開けたんです。そしたら、少し大きめの、水色の紙が見えた。水色の紙袋が折りたたんで、 
入れてあったんだと思う。間違いなくティファニー。つい聞いちゃったんだよ、ティファニーの袋?って。馬鹿だな俺。 
430 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:41 ID:1my7cryD 
彼女は動揺したよ。俺よりも気が強くて、絶対尻に敷かれるよね、なんて彼女の母親からも言われてて。 
俺も、まあ、彼女がしっかりしててくれて、リードしてくれるからいいかなーなんて思ってて。 
そんな彼女が少し慌ててた。でも、今思うと、ポーチに入れるには無理があるサイズだよな、紙袋。 
畳んで無理矢理押し込んでるって感じ。で、俺は大馬鹿野郎で…期待しちまったんだよ、 
それが俺へのプレゼントかってw 彼女の誕生日に何故、彼女が俺へプレゼント… orz 
プレゼント交換?とか、今思い出すと馬鹿馬鹿しいけど、何でかそう勘違いしちゃたんです。 
何々?見せて…って、追求しちゃったのさ。彼女は、紙袋を取り出した。でも、何か行動が変。 
テーブルの下に手を潜らせようとしてモゾモゾ。紙袋の中身を出そうとしてるのがバレバレでさ。 
433 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:51 ID:1my7cryD 
はい…って、手渡されて、紙袋はやっぱりティファニー。 
ティファニーいいよねー…なんて言ってる俺。実はティファニーのシルバーリングもいいかな、 
なんて思ってて。でもその時は、買わなくて良かったと思ってた。だって彼女がティファニーの紙袋を 
持ってるって事は、ティファニー以外の、意外性のある奴でないとダメだ、みたいな。ちょっとホッとしてて。 
あー中身を俺にくれるのか???なんてドキドキしてて。でも、何となく、くれる気配がないんで、聞きました。 
中身は?って。固まってたと思う、彼女。あー、とか、うん、とか。変な頷きの後、ゴメンね、ゴメンね、と繰り返して。 

434 :えっちな21禁さん :04/04/21 22:53 ID:1my7cryD 
俺もよく分かんなくて、まあいいか…と。で、指輪何欲しい?俺、自分で買おうとしたんだけど、分かんなくて… 
みたいな話をして。喜んでくれた、その時は。『ホントに???』って。ドトールを出て、彼女と指輪を 
買いに行きました。カード使ったけど、限度額ギリギリの18万。安いのか高いのかよー分からん。 
オーソドックスな感じの、普段でも付けていられる様な、小粒のダイアモンドリング。彼女はそんなに 
細い指じゃないんだけど、すごく似合ってたよ。色白な方だったし。 
435 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:00 ID:1my7cryD 
さっそく指輪をはめて、わー…とか言ってる彼女に萌えました。 
やっぱり可愛いわ、この子って。ご両親にも報告して、もう結婚秒読みって感じでした。 
いや、まだ具体的に日取りとか、全然決めてなかったんですけど。 
年明けて、春にでもどう?みたいな。かなりのんびりしてました。どうせ逃げていくもんじゃないし。 
それ以前に、お金が無くて。さすがに親に全額負担はさせられないし。俺の貯金は二桁しかなくて…。 
お金が貯まり次第ねー、なんて、冗談を言い合ってました。 

442 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:17 ID:1my7cryD 
スマソ… 

11月、俺は初めて彼女の会社に呼ばれました。今まではロビーまでしか入れなかったけど… 
って、ズカズカ入ってく勇気もないし、迷子になりそうだし。警備員いるし。 
仲人さんになる人が、彼女の上司だそうで。ご挨拶です、仕事の合間を縫って、時間作って。 
おー、やっぱスゲー、と感動でした。オフィスの天井がウチの会社よりも高い高い。ああ、やっぱ違うな、 
なんて、変な所で差を見せ付けられました。応接スペース?みたいな、仕切りのある所に通されて、 
ぎこちない挨拶をしました。仲人の上司は、30台後半かな、結構若く見えましたよ。俺よりは格好いいし。 
俺と彼女は並んで頭を下げて、まだ日取りは決まってないんですけど、仲人の予約をw とか何とか。 
快く引き受けてくれて良かった。ま、部下から頼まれて嫌とは言えないと思うけど。職場の規模と言うか、 
俺のトコはショボくて、披露宴の時の事を考えると、やっぱり頭数の揃う彼女の会社の人間の方が 
頼れるって事で。仲人。 

444 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:26 ID:1my7cryD 
俺の上司からは嫌見を言われましたけどねw 
何で向こうの上司?って。仲人って、そんなにやりたいもんなのか。親戚って言うか、 
親父の兄も仲人したがってたらしい…。誰でもいいんですけど。 
俺が考えるよりも、周りはドンドン動いていて。仕切られてました、お互いの両親と、彼女に。 
俺は毎日、普通に会社に行ってて、でも、話は前に進んでいて。彼女と会うのは相変わらず 
遅くなってたけど、嬉しそうに話す姿を見てるだけで嬉しかった。楽しかった。 
たまに早く、彼女が帰れる時は、彼女が俺の会社まで来てくれて。 
俺は待たせるのが悪くて、残務もそこそこに切り上げてたり。上司も大目にみてくれました。 
でも、俺は彼女の会社で待った事はなかった。仕事は結婚しても続けるって事で、話はついてて。 
だから、年が明けて、春になって、結婚しても、別に何も変わらないと言えば変わらない。 
住まいは、お金が勿体無いから、荷物は俺の家、体は彼女の家w みたいな。そんな話で。 
445 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:34 ID:1my7cryD 
考えてみると、俺が待ってた事は無かったんです。大学時代も含めて。 
驚くだろうな…なんて、悪戯心出して、夜中11過ぎぐらいですか、ビルの前に立ってました。 
出て来た…と思ったら、仲人の上司と一緒でした。俺はかなり動揺して、声とか掛けられなかったんですけど、 
って、別に何も無くて。会社前で別れてそのまま彼女は地下鉄の改札を過ぎて。 
まあ、彼女の尾行なんてする気はなかったんですが、声を掛けるキッカケを失ってしまって。 
一瞬でも彼女を疑った俺自身に鬱々としながら、どこで声を掛けようかな…とタイミングと距離を測ってました。 
ストーキングはドキドキしますね、アレ。尾行って、バレないかハラハラですよ。変なドキドキ… 
447 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:40 ID:1my7cryD 
結局、乗り換え乗り換えで、家のある駅まで来ちゃいました。 
俺は少しだけ、ストーカーの快感を味わった様な気がします。そんな物は理解したくないけど。 
バレない様に彼女の後をつけてました。もう、ここまで来ると声を掛けられなくて。 
彼女が家に着いたら、遅れて行こうかな、と。外灯もポツポツ、所々消えてたりで、結構暗い所は暗いですよ。 
女一人で歩くのは怖いな…なんて、新たな発見と言うか、妙な防犯意識と言うか。もっと早く、 
一緒に帰れば良かったかなーと。いや、尾行しながらそんな事考えてもね、俺。 
で、彼女がアパートに入って行った訳です。まだ新しいアパートの二階でした。は???何で、って、 
一瞬、お前どこ行くんだよ!!!みたいな。 
450 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:46 ID:1my7cryD 
仲人さんはいい人でした。後々、俺の相談にも乗ってくれて。お金までくれて。 
本当は彼女と友達OL?の確か4人でキャアキャア言いながら出てきたんだよ…会社。 
キャアキャア…いや、そんなに騒がしい訳でもないんですが。 
俺、場違いな気がして声掛けられなくて。バイバーイ、とか言いながらそれぞれ電車乗ってったけどね。 
451 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:51 ID:1my7cryD 
俺は足音を忍ばせて、階段を昇りました。 
別に足音を忍ばせなくてもいいんですけど。コンクリートだし、音はあまり出ないと思うんで。 
表札にはローマ字のパネル?で、Nishimura と。 
西村…誰???俺は全然理解出来ませんでした。本当は、何が起こってるのか理解出来たと思う。 
でも、思考を停止したんだと思う、脳が強制的に、フリーズって。俺はトボトボと帰ったよ、家に。 
風呂に入って、ベッドに潜り込んで、それでも、西村西村って、頭の中を西村が駆け巡ってた。西村って誰? 
453 :えっちな21禁さん :04/04/21 23:58 ID:1my7cryD 
俺はずっと西村ってのが気になってて。でも、住んでる場所は知ってても、どんな人かも知らないし、 
誰に聞けばいいのか分からなくて。彼女にも聞けなくて、ただ黙ってた、我慢していた。 
でも、やっぱり知りたくて、まずお袋に聞いたんだとげね、西村って知ってる?って…聞くなよ俺。 
知らない、誰それ?って、知りませんでした、お袋。当然です、俺が知らないんだから。 
その週末、彼女の家に行った。彼女とは普通に話せた。俺は演技派かも知れない。 
彼女が浮気してるかも知れないって時に、でも、もしかして西村ってのは女の子で、実は大親友…とか、 
そんなオチだとしたら、うっかり追求して恥をかくかも…なんて恐怖もあって。あの日から、って、 
確か火曜日の事だったんだけど、そりから3〜4日もすると、もうあれは女友達の家だったんじゃないか、 
俺の嫉妬深さが被害妄想を招いているんじゃないか、なんて、そこまで考えてて。 
少し楽になりたかったのかも知れない。 
455 :えっちな21禁さん :04/04/22 00:09 ID:7VLLOLec 
彼女は、ちょっと待ってて、買い物に行って来る…って、父親の車で行ってしまった。 
家には、俺と母親。未来のお母様…。二人だけになると、何か気まずい、とまではいかないけど、 
落ち着かない。俺は元々人見知りするタイプなんです。で、彼女の母親も俺のそう言う所を知ってるから、 
いつも話し掛けてくれる、先に。一緒に行けば良かったのに…って、お母さん、俺は邪魔ですか…。 
俺は、彼女の母親に、極力、動揺している自分を知られたくなくて、普通に聞こうとしたんです。 
西村さんって知ってます?って。『あー…西村君?』 おー…知ってるよこの人。俺は『どんな人ですか?』 
って聞くと、同級生じゃない?お母さんと友達なのよー、と。…男でした。小学校3年・4年の同級生。 
でも、幼稚園の時も同じ組だと。わざわざ卒業アルバムまで持って来て。この子この子ー…とか。 
子供の写真見せられてもね、今現在のイメージなんて湧かない。 
457 :えっちな21禁さん :04/04/22 00:17 ID:7VLLOLec 
間違いない、コイツと浮気してる…俺はもうグダグダです。 
キスしてる現場とか、Hしてる現場とか、いや、コイツの顔すらガキの写真でしか見てないけど、 
心臓を鷲掴みにされた様な…今、心電図取ったら間違いなく不整脈出るよ、みたいな感じ。 
もうね、問い詰める勇気もなくて。彼女が帰って来るまでの間、帰ろうかとも思ったんだけど、 
二階の彼女の部屋に行ってウロウロしてました。座ってられない。別に何かを探す訳じゃない。 
でも、押入れの引き戸を開けたりして、中を覗いて…最低ですね、俺。人の部屋に何やってんだか。 
暇…と言うか、人間、奇行に走る瞬間ってあると思う。心神喪失。で、ティファニーの袋があって。 
思い出しました。あの時の、中身はどこだろう、と。探しました…。 
458 :えっちな21禁さん :04/04/22 00:28 ID:7VLLOLec 
ありませんでした。人の部屋で探し物は疲れます。しかも、バレない様に気を使いながらってのが。 
そんな馬鹿な事をしてる内に帰って来ちゃって。車の音にビクつく俺。もう気分は空き巣です。 
帰って来た彼女は買い物袋をぶら下げていて、父親もだけど。俺にも持てと言う。渡された瞬間、 
彼女の指の指輪が…俺のじゃなくて。つまり、ダイヤ付いてなくて。あ、ティファニー…って直感しました。 
その後、バタバタしてたんだけど、俺は指輪の事をさりげなく聞いてみました。その指輪、ティファニー?って。 
あ、うん!少し慌ててました。いつも俺の指輪だったからかな。可愛いね!高くなかった?とか聞くと、 
ちょっと嬉しそう。自分で買ったの?…俺は無意識に誘導尋問していたと思う。違う違う、友達…って。 
何か変な空気を察知したのか、彼女は話題を替えて来て。指輪の話はそれっきり。飯を食べて夜帰りました。 
467 :えっちな21禁さん :04/04/22 00:40 ID:7VLLOLec 
それからしばらくして、俺は姿を消しました。 
正確に言うと、家出、失踪。会社の郵便受けに退職願を突っ込んで、 
実家の部屋の俺の家具・荷物はこっそりコツコツと処分してて。 
彼女の前から、姿を消しました。4年前の事です。 
問い詰める勇気もなくて、何も知りたくなくて。考えると気が狂いそうになって。誰も知らない所に行こう…。 
人間不思議な物で、一旦決意すると、不思議と体が動いて。ちょっとルンルンしちゃったり。 
とにかく荷造りやら、処分してる時は、妙な充実感に浸ってました。もしかしたら、樹海に 
行ってたかも。幸い俺は千葉で寮付きの特別養護老人ホームの介護職員になれて。資格なくてもOKだと。 
面接は冷や冷やしました。履歴書の住所は千葉の親戚の住所。職歴も適当。 
もう、バレるんじゃないかって。月給の手取り14万円はキツかったけど、体が慣れると 
オムツ交換もてきぱき出来て。一年間そんな事をしてました。親には最初、ひたすら謝りまくって、 
嘘を付いて、捜索願を出すなとか何とか…警察沙汰にされそうになって危なかったけど。 
474 :えっちな21禁さん :04/04/22 00:59 ID:7VLLOLec 
理事長先生から源泉徴収だか何だか、とにかく税務で困る事があるから、 
住民票を持って来て、寮に移せ…って言われた時は、もうどうしようかと。 
俺はDQNを装って、分かりません知りません、確定申告は自分でしますんで、の一点張り。 
ま、諦めてくれましたけど。スリリングな人生でした、あの一年間。逃亡者。 
476 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:01 ID:7VLLOLec 
苑では24時間介護のシフトを組んでいて、かなりハードな仕事でした。週休2日でも、寮に篭って、 
小さな窓からボーっと空を眺めていたりして。周りはパチンコでいくら負けたとか騒いでいたけど、 
俺は淡々と仕事をこなしてた。痴呆のお年寄のオムツ交換、食事介護、シーツ・ベッドの交換、 
入浴介助、掃除…それで14万とはちょっとねー。ちょっとした強制収容所です。と言うか俺もよく耐えた。 
そんな所で。本当は車もあったんで、もっと遠くへ行きたかったんだけど、あんま金もないし、ガソリン代もちょっと 
ケチって、そんな時、日曜日の新聞に折り込まれている求人広告を思い出して…あ、仕事しようと。 
すまん、俺は盗みました。人様のお宅のポストに入ってた新聞から、求人広告を抜きました。ゴメンなさい…。 
でもねー千葉と神奈川だもん。近いって言えば近いよなw 何度か、もう帰ろう、と思ったよ。 
根が屁タレなんで。でも、彼女に格好悪い姿は見せたくなくて。俺的にはかなり格好いい消え方だと思った。 
かなり馬鹿でしたけどね。でも、家出って思ったよりも簡単だなーと言う事は分かった。 
479 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:10 ID:7VLLOLec 
相手が来ちゃったんです…。興信所頼むなよ。 

親父とお袋には電話で心配するなって散々言い聞かせてあって。 
初めは捜索願出す!とか言ってた親父も、まあしばらく頭冷やして来いと。 
理由は何も言ってなくて。もちろん彼女の事とかも。ひたすら『家出したくなった』を繰り返してた。 

彼女の父親には電話で、実は好きな人が出来ました。婚約は解消させて下さい、と。 
ヤケクソでした。他にいい嘘が思いつかなくて。どうして?何で?って彼女の母親から 
問い詰められると、本当に辛い。何か喋らないと、なんて、変な気を使うのは俺の悪い所かな。 
『馬鹿野郎!ふざけるな!俺はテメェを一生許さねぇからな!!!』 
…凄い迫力でした。とにかく、好きな人が出来た…今、その子と暮らしてる、って。嘘付きました。 
しばらく携帯が止まらなくて、速攻解約ですよ。彼女からも着信入るけど、話せなくて。 
483 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:22 ID:7VLLOLec 
後々、親父から『お前駆け落ちしたのか』とツッコミが。違う違う、あれ嘘…って言っちゃいました。 
親ってのはありがたいもので、何となく察してくれたみたい。見えない所で彼女の家と、俺の間に 
立ってくれてたらしい。一番世話になったのは仲人さんでした。会社に謝りの電話をしたんです。 
彼女が出たらどうしよう…なんて恐怖もあったんですけど、取り合えずケジメはつけないと。 
俺は声色を変えて電話しました。馬鹿だな俺…。幸い別の人が出てくれたんですが。 
課長様に代わって下さい…で、繋がりました。本当は、この人にも適当に嘘を付くつもりだったんだけど。 
『彼女に代わるから待っててくれ』『いや、代わらなくて結構です』『どうして?』『いや、あの…』 
『何があった?』…こんな感じで、つい色々と喋っちゃって。でも、彼女が浮気とか、そんな事は言わなかった。 
やっぱり嘘を付いたんだけど、自分自身に不安がある、少し間をおきたい、すいません…って。 
『そうか…ま、仕方ないよな、待ってるよ』 その一言に、ポロポロ泣いてました。兄貴肌のいい人です。 
486 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:30 ID:7VLLOLec 
俺は働きながら、もしかして俺は早とちりしたのかな、鬱だったのかな、妄想だったのかな…と、 
色々考える様になっていて。今までの、と言うか、あの出来事全てが夢の様な気がして来て。 
全く違う世界に放り込まれた、そのショックで、健忘症にかかったのかも。全部、本当に 
遠くの出来事の様な錯覚がして。アクアラインを跨げばすぐの距離なのにね。 

彼女の誕生日が近くなって、元気かな…なんて感傷に浸る余裕もない日々。日々是決戦、 
ウンコとの格闘の毎日です。でも、カレーは食えました。ウンコいじった後にカレーが食えなくなる 
ってのは俗説、迷信ですねアレ。ウンコの話題で申し訳ない。 

アナウンスで珍しく、俺の名前を呼んでます。お客様がお見えです…と。 
殆ど入居者のご家族しか来ない、この苑に。親父かな、と一瞬嫌な気分になりました。 
住所は教えて無かったんで、調べて来やがったか馬鹿が…と。 
488 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:33 ID:7VLLOLec 

彼女でした。 

「久し振り」 

ちょっと笑ってました。 

「急にいなくなってビックリしたよー」 

やっぱりこの子、可愛いです。 

「ゴメンな…」 

俺、謝っちゃいました。 
492 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:38 ID:7VLLOLec 
『元気だった?』『まあまあ』『ふーん・・・』何か、どうでもいい会話でした。 
あまり覚えてません。お互い、言葉が見つからなくて、特に彼女は多分、 
俺との言葉を繋ぐのに必死だったのかも。俺はもう、好きとか嫌いとかじゃなくて、 
って、好きでした、やっぱり。どうしようもなく。長過ぎたんですね、一緒にいる時間が。 
俺が家出した、失踪したこの一年の何倍も長く居たんだと言う事。 
ただ、俺には気がかりな事、と言うか、人が。 

「お父さんは?」 
「会社だよ」 

ちょっと安心しました。居所がバレたらきっと俺、殺されます。と言うか殺されてましたね。 
武闘派じゃないけど、やっぱり「彼女のお父さん」ってのは怖いです…。 
495 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:46 ID:7VLLOLec 
「何で分かったの?」 
「調べてもらったから…」 

探偵さん、もう少し俺をホッといてほしかった。でも、不思議と彼女に対して、 
怒りとか、そう言う負の感情は湧かなかった。俺、この子と昔、付き合ってたんだな…そんな感じ。 
彼女もごく自然に、あの頃と同じ感じで話し掛けてくれる。それが嬉しかった。 

「ゴメン、そろそろ戻るよ」 
「うん、待ってる」 
496 :えっちな21禁さん :04/04/22 01:46 ID:7VLLOLec 
そんな会話だったと思う。戻ると…女の職場ってのは怖いですね、ホント。 
介護職員は8割女性なんですけど、このお姉様方が何と言うか… 
お前等全員、毎週欠かさず女性セブン買ってるだろ!みたいな、濃い方々で。 
『ねえ彼女?彼女?』『へー彼女いたんだァー』『結構可愛いよねー』 

…うるせぇよババァ共、口に糞詰めッぞ。 
と、心にもない事をそっと心の中に仕舞いましたとさ 
スマソ、上げてしまった… 
502 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:00 ID:7VLLOLec 
その日は日勤で、午後4時で上がれました。 
でもその間、3時間ぐらい待たせちゃって。仕事が手につかないですよ。気兼ねして。 
老人ホームは山の中、と言うかド田舎です。そんな場所へ、彼女はバスとタクシーで来てくれた。 
アクアラインを越えて来てくれた。最初は戸惑ったけど、普通に話せました。自分でも驚くぐらい。 
来てくれたのは嬉しいけど、寮には止められないから、結局日帰りです。 
送ってくよ…って事で、タクシー呼んで、アクアラインのバス亭まで乗せてもらって… 
504 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:01 ID:7VLLOLec 
金谷だったか金田だったか、あのバスターミナル、何も無いんだよねホント。 
その周辺を暗くなるまでブラブラしながら、色々と話しをした。 当り障りの無い話だったけどね。 
あんなに悩んで、別れたつもりだったのに、いい雰囲気になってたと思う。 別れ…って言っても、 
俺が勝手に消えただけだったのかも知れないけど。最後にバスに乗り込む直前、 
『また来るね』『いや、俺、そろそろ帰るかも』『ホント?』…そんな会話を交わして。 
バスが見えなくなるまで見送りました。その後、急に泣けてきて。もう、このまま苑辞めて帰ろうかな、なんて。 
あのバス、走ったら追いついて乗せてくれるかな、とか。彼女と一緒に帰りたくなった。 
今まで抑えていたホームシックが一気に来たんだと思う。 
509 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:11 ID:7VLLOLec 
結局、それからしばらくして俺は帰りました。 
理事長先生にもお礼を言って、何故か励まされたけど。ちょっとした更正施設と言うか、 
貴重な一年だったと思う。俺が言うのも何だけど、自分自身をかなり磨けた気がする。 
今まで、何でも中途半端で、上手く言えないけど、ダメだなーって感じだったけど。 
愛の貧乏脱出大作戦…あんな感じの一年でした。そんなに為になったかは分からないけど。 

家に帰るとおかえりー…普通の応対でした。親子の感動の再会、なんてものはなく。 
『車は?』『あー』『あー、じゃなくてよ』『ゴメン…』 
俺の車は1月の大雪の日、田舎の風俗店の前でスリップして、駐車していたワゴン車にドーン。 
…逃げました。で、廃車に。幸い、俺の車は追突した後も走ってくれて。かなりヤバかった。 
こんな所で懺悔するなって感じだけど、必死で山道を逃げました。ワゴン車は…前がグチャっと。 
俺は今でも信じてます、あれは、あのワゴンは元々ガードレールに追突して止まっていたんだと。 
その後、俺がオカマ掘っちゃったんだと。そう信じてます。俺は無罪…。 
516 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:27 ID:411FZ05H 
彼女の両親には土下座しました。 
演技じゃなくて、本当に心から土下座しました。父親は俺を完全無視。 
母親は、何となく呆れている感じでした。もう、結婚なんて言葉は綺麗に無くなってました。 
彼女とは、別れました。ちなみに、俺は西村の事を聞かなかったし、彼女も言わなかった。 
この指輪、持っていてもいい?と聞かれて、うん…と答えました。 
よせばいいのに、俺は意地悪な質問をしてしまって。その時は、無意識に聞いちゃったんたけど。 
ティファニーは?って。『捨てたよ』『…似合ってたのに』 
彼女は俺が、別れる、ゴメン…と言った時も、泣かなかった。俺も泣かなかった。 
彼女は寂しそうに微笑んでいたけどね。いや、寂しそうかどうかは俺には分からないけど。 
寂しがってくれるといいな…なんて。勿論、嬉しそうではなくて。強がってる感じでもなくて。 
多分、諦めなんだと思う。あの微笑。しょうがないなーって。 
結局最後まで可愛いなァ…と思ってた俺は負けです。 
あの時、作り笑いでもしてくれたら、ちゃんと嫌いになれたかも知れない。 

521 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:44 ID:IlmaCY+U 
盛り下げるようなマネをして申し訳ないが。。。 
疑問に思ったこと 
1. 
彼女と小学校以来の幼なじみなら、「小学校3・4年の同級生」の西村のことは知っていてもいいのでは? 
2. 
共に大卒なら、「お互い社会人になって、五年が過ぎた。俺も彼女も24歳になってた。 」ってのは年齢があわんような…。 

522 :えっちな21禁さん :04/04/22 03:10 ID:X0ZTUCGP 
>>521 

? マンモス校だったから。一学年で6クラスもあった。 
  さすがに彼女と一緒のクラスの奴の名前までは覚えてないです。 

? 俺は今29歳。いい歳してこんな時間に何やってんだか…鬱。 
  24歳って、社会人になって2年ですね。5年って一体。 

527 :えっちな21禁さん :04/04/22 02:53 ID:X0ZTUCGP 
彼女は千葉の、俺の所へ会いに来る前に会社を辞めていたそうです。 
今も多分、普通のOLしてると思います。会社は知りません、聞いてないから。 
以前の様に、連絡を取り合ってなくて。やっぱり、別れたんだな…と。 
2年以上経って、冷めた、って感じじゃないんです。そうじゃなくて、普通になったと言うか。 

俺が消えた後も、彼女は淡々と仕事をしていたそうです。 
君より何倍も偉いよ彼女…と、帰って来た後、仲人さんその他から延々と説教されました。 
しかも居酒屋に呼び出しくらって延長戦です。酒が不味くなるよー。 
俺は少し酒が回って来て、いい加減、俺ばかり悪いのかよ、黙って聞いてれば…と。 
『俺のいない間、浮気してませんでした?』なんてポロリ。最低な発言でした。 
『馬鹿じゃねぇの?』『冗談でもそんな事言うな』…散々でした。油注いでしまいました。 
少し安心しましたけど。やっぱり俺の思い違いかな…と。 
591 :えっちな21禁さん :04/04/23 00:39 ID:/o+7aWYM 
神奈川に戻ってから、俺は深夜、ローソンのバイトを始めた。時給980円、週4。 
勇気を出して新車も買い、彼女の事も忘れて、1からスタートするつもりだった。 
でも、家が近過ぎて。俺の家の前をよく通るんですよ彼女。時々、俺の部屋を見上げる事もあって。 
初めは、まあ仕方ないよな、近くだし…なんて、部屋の窓際に隠れつつ、覗く様に見た事もありました。 
見られているとも知らない彼女を一方的に見る行為は、かなり後ろめたかったけど。 
ストーカーだな、これって…少し自己嫌悪して、何度か繰り返す内に、彼女が通っても、 
見ない様に我慢しました。多分、わざとと通ってたんだと思います。俺は一切連絡を絶って、 
彼女に対して引き篭もりみたいな感じになってたから。初めは姿を見るのが辛かったけど、段々慣れました。 
594 :えっちな21禁さん :04/04/23 00:48 ID:/o+7aWYM 
一年が過ぎ、二年が過ぎ…俺は深夜のバイトがローソンからサンクスへ移りながらも、 
新車のローンを抱えて一生懸命働いていた。定職に就こうと思えば就けたけど、何となく、 
毎月3万のローンが払えればいいかな、って。実家にいると、別に金も大して必要じゃないし。 
ただ、彼女の家と彼のアパートの周辺だけは、自分の中ではずっと、立ち入り禁止区域のままで。 
でも、親同士は少しずつ雪解けを始めていた。向こうの親とは、俺は一切会う事も会話する事もなかったけど。 
『今日、恵理ちゃんのお母さんと会ったわよ』『あっそ』…無邪気に話し掛けるお袋の言葉は痛かった。 
その名前はもう忘れさせてくれ、本当に。でも、俺はただ拗ねていただけなのかも知れない。 
白馬の王子様じゃないけどさ、彼女が直接謝りに来て、仲直り出来るかも知れない、なんて。 
でも、仲直りと言うか、会って話す気は更々無かったけど。悲劇のヒロイン気取って、ずっと篭ってた感じか、俺は。 
595 :えっちな21禁さん :04/04/23 00:58 ID:/o+7aWYM 
俺はバイトと家の往復と言う、単調な日常の中で、少しずつ病んでいたんだと思う。 
バイトの休みの日はよく、夜中に家を抜け出して、134号線をスッ飛ばしてました、江ノ島方面へ。 
160キロとか平気で出してたけど、オービスは無かったみたい。交番のある交差点付近は減速しましたが。 
暇な時って、部屋にいても落ち着かなくて。グルグルと意味も無く歩き回ったりしてて。車を運転してると、 
何となく気が晴れて。このまま死ねるかな…なんて、何回か考えたり。でも、自殺願望って言える物ではないです。 

俺は千葉にいた一年で、すっかり「放浪癖」が楽しくなったらしい。家に帰って来てから2年間、 
家具らしい家具は買わなかった。部屋には、俺の服がハンガーに掛けてあったり、畳んで置いてあったり。 
大き目のバッグの中には、俺の持ち物がほとんど入っていて。それから、布団。ベッドは家出の前に 
バラして処分しちゃったから。俺が家を出た後、部屋を見た両親はかなり驚いたらしい。家具がない、って。 
発つ鳥跡を濁さず…それが礼儀と言うか、何と言うか。自分でも律儀だと思う。 
596 :えっちな21禁さん :04/04/23 01:08 ID:/o+7aWYM 
本当に何もない部屋で。いつでも家出出来ます、みたいな。 
自分でも、生活感がないと言うか、またいつか別の場所に行ってみたいな…なんて、 
漠然と考えていたんだと思う。特に息苦しい生活、とか、この街にいると彼女の事ばかり 
思い出して鬱になる、とか、そんな風には思ってなかったけど。ただ、本当に微かな感情だけど、 
やっぱり俺、ここには長く住めないな…と。ま、もう28歳だし、親ど同居ってのは実際辛い。 
顔を合わせる分、余計な心配やら何やら色々と掛けてるみたいで。時々、簡単な会話すら 
苦痛になる瞬間もあったり。特にストレスなんて意識はなかったけど、立派なストレス持ちですね。 
元々友人も少なくて、その少ない友人ですら、千葉にいた一年で、完全に断ち切れてしまって。 
バイトをしてなかったら、完全に引き篭もりです。バイト仲間って言っても、友達には程遠い関係。 
どんな表情でも作り笑いに見えて、行く度にいつ辞めようか、いつ辞めようかって、そんな事ばかり。 
599 :えっちな21禁さん :04/04/23 01:19 ID:/o+7aWYM 
去年の夏の話です。雑誌棚に、搬入された雑誌を並べていました。 
ガテン「Uターン特集」…パラパラっと見て、あ、これいいな、って。 
バイトの帰り際に買って、部屋で黙々と読みました。もう、居ても立ってもいられなくて。 
不思議な衝動と言うか、読み耽る内にワクワクが止まらない。って、俺はつくづくガキだな…ちょっと鬱。 
ま、新天地カモーンな訳です。俺、行かなくちゃいけないかも、みたいな。頭の中ではもう、 
家出計画策定です。でもどこへ行くのかは謎。とにかく、別の世界で新しい何かをしないと…と。 
一瞬、裸の大将と気持ちが通じ合いました。そんな気がします。絵は描けないけど、オニギリは好きだし。 
芦屋雁之助さん、ご冥福をお祈り申し上げます。俺は本気で、野に咲く薔薇の様に生きたいと思いました。 
601 :えっちな21禁さん :04/04/23 01:29 ID:/o+7aWYM 
でも、すぐに飛び出す勇気もない俺。屁タレです…。 
東に行くか、西に行くか…悩みました。東と言えば、もう千葉には行ったし、 
雪とか、寒い所は嫌だな、と。なら、西?でも、大阪まで行くのはどうも、とか。 
そんな感じで、半年ぐらいズルズル悩んでました。勿論、行った先の就職の事も考えて、 
就職情報誌も毎週毎月買ってましたけど。Uターンってのが流行ってるんですね。 
俺はUターンじゃないんですけど。田舎は神奈川だし。結局、クリスマスが過ぎた頃、 
静岡にしようと。名古屋大阪と東京の間を取って、静岡。温かそうだし、石垣イチゴあるし、お茶の国だし。 
静岡っていい所だよな…俺の夢も膨らみます。勿論、そんな単純な動機ではないですけど。 
観光案内所の営業事務募集を見て決意した訳で。すぐに応募しました。 
年明け早々、履歴書郵送、電話面接、日帰りで直接面接…って、今年の1月の話です。 
606 :えっちな21禁さん :04/04/23 01:41 ID:/o+7aWYM 
今度は、親にはちゃんと話しました。『浜松で働く事にしたから』と。 
最初は驚かれました。何の相談もなく、いきなり切り出したので。 
でも、まあ仕方ないか…とか、よく分からないけど納得してくれて。『頑張って来いよ』と。 
『今度はいつまでいるつもり?』『いや、分からない』そんな会話。 
何の未練も無いって言うと嘘になる。やっぱり、家や街を離れるのは少し寂しかった。 
でも、箱根を越えるとそんな感傷も忘れてしまって。浜松は遠かった、実際。国1でダラダラ 
行ったんだけど、半日かかりました。ちなみに、やっぱり湘南ナンバーは珍しがられて。 
所長からも盗まれない様に、と忠告されたり。まだ盗まれた事はないですけど。 
ちなみに、アパート借りる時は審査があるんですね…即日入居は出来ないって言われて。 
4日ぐらい車で寝ました。野宿も初体験です。もうしたくない経験ですが。 
着いた次の日から仕事です。所長以下、皆いい人で。感謝してます、本当に。 
607 :えっちな21禁さん :04/04/23 01:42 ID:/o+7aWYM 
何で俺が昨日から、ここでこんな話を始めたのか、って言う、根本的な原因を話します。 
612 : ◆m4QfvmXGoo :04/04/23 02:04 ID:/o+7aWYM 
先月、彼女が営業所に来た。午前中、昼前。 
かなり驚いたよ…何で?って。俺の親から聞いたんだろうけど。 
どうして教えたんだあの馬鹿…。って言うか、今更何の用があるのか分からない。 
もう二年以上も会ってないし。俺は出だしから応対を狂わされた。『いら…しゃあ』…間抜けだ。 
『あ、ゴメン…忙しかった?』いや、忙しいとかそう言う問題じゃねぇよと。慌てた俺は席を立ち、 
後ろの所長の所へ小走りに行くと、『すいません…知り合いの子で、ちょっと』と、小声で報告。 
『すぐ戻ります』『いいよ、先に昼食って来て』そんな会話。俺はいきなりの事で混乱した。 
とにかく、いきなり職場に来るなと。来られても、何も話す事はないし。 
613 : ◆m4QfvmXGoo :04/04/23 02:14 ID:/o+7aWYM 
俺はもう、職場放棄の後ろめたさで、かなりショックを受けつつ、必死に彼女を外へ連れ出そうと。 
彼女を外へ連れ出す時の、後ろの方々の視線が気になって。視線が痛いと言うか、俺が痛い。 

「元気そうだね…」 
「うん」 
「…」 
「…」 

会話が続かない。と言うか、会社は出たものの、どこへ行けばいいんですか一体。 
取り合えず、近くの喫茶店に飛び込んだ。俺はコーヒー、彼女はアイスティー。 
俺は何か話し掛けないと…って、そればかり考えていて。結局、彼女がリードする形で話をしたんだけど。 
俺から話し掛けるのは正直、辛かった。何か言われても、答えるのが精一杯って感じで。 
せめて予行演習ぐらい電話でさせてほしい。もしくは予約を入れて。心の準備どころの話じゃない。 
背中に変な汗をダラダラかきながらの応対。シャツが濡れて背中の感触も気持ち悪いし。 
614 :えっちな21禁さん :04/04/23 02:25 ID:/o+7aWYM 
会いたくなって、ちょっと来てみた…らしいです、彼女。 
俺は会いたくなかった。いや、子供じゃないからそんな事は言わないけど。 
そっとしておいて下さい…と言いたい。構わないでと。 

「こっちはどう?」 
「まあまあ、かな」 
「ゴメンね、会社」 
「気にしなくていいよ」 

いい人を演じてます、俺。ダメだよな、ちゃんと怒る時は怒らないと。 
でも、怒りとか恨みとか、そんな感情は元々彼女に対しては持ってなかった。 
いや、以前は持っていたと思う。でも、千葉の一年間でほとんど昇華した気がする。 
少し冷静になって、目の前に座っている彼女を見ると、美人と言うか、何と言うか。 
端から見たら、多分友達か恋人…なんだろう。何年振りかで、まともに彼女の顔を見た気がする。 
あまり変わっていない彼女。やっぱり、会うと嬉しくなってしまう。懐かしくなる。 
616 :えっちな21禁さん :04/04/23 02:35 ID:/o+7aWYM 
そのまま、昼休みが明けるまで、他愛も無い話をしていたと思う。 
親は元気だとか、そんな事。テレビ見てる?とか、こっちの番組と違
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